VOICES

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平岡で働く人の声

期待に応えて「当たり前」
その為に成すべきことがあります。

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品質管理部 部長

田中 立貴

TATSUKI TANAKA

自分や自分の大切な人のものだと
思えば当然品質に妥協できない。

滋賀のプラスチック成型工場では、24時間休みなく製品が作り続けられています。次々と機械が生産するのに対し、仕上げと梱包を人の手で行うわけです。それだけを聞くと流れ作業のように感じられるかもしれませんが、そうではないのです。ここで必要なのが品質管理部の目。多いものなら一日数百個が出来上がってくる、そこで「そのうちの一個くらい…」じゃなく、そのたった一個を生み出させない、世の中に出さないことが私の仕事なのです。どうせ顔も知らない、きっと会うこともない誰かが使うもの…そんな考えはあまりに無責任ではないでしょうか。たとえば自分や自分の大切な人がこれから使うものだと考えたら、ほんのちょっとの欠陥があっても嫌ですし、納得いかないはずです。それが、たまたまの1個だから、たまたま自分が手にしたものが粗悪品だった、今回は運が悪かった…なんて事では済まされません。たとえば新しいペンを買ってきて、いざ使おうと思ったら書けない「おいおい…」ってなってしまいます。作る側には数百分の一の確率であろうと、買った方は「二度とこのメーカーのなんて使うか、もうあそこで買うか!」となってしまうのです。私たちは対面でお客様に販売するわけではない、直接お客様の貴重な声を聞かせていただくわけでない。だからこそ、そのぶん余計に責任を持って製品を造らなくてはならないのです。「触れるすべてのお客様が満足するものを、だだの一個も間違いなく造る」こと。この気持ちを大切にして、製品の流れてくるレーンに今日も目を光らせます。

「最後の砦」じゃなく原因究明こそカギ
コミュニケーションはこまめに密に。

品質管理部と聞くと最終のチェック機構というイメージが先行します。「最後の砦」とか、ゴールキーパーのような例え方をされることもあるのですが、最後の部分だけ見ていればいいわけではないのです。「なぜそうなったのか、どこにその原因があったのか」を見つけ出すことこそが最も大切な作業です。平岡商事という会社はひとつひとつの製品すべてに魂を込めて製造する会社…気持ちや精神としてはそれでまったく間違いないです。ですが、物理的な見方をすると、製品はすべて物質で構成されているわけですから、問題のある製品というものは「何らかの原因」があったから欠陥が生じたり規定を外れたものとして出来上がってしまっているはずです。その問題を解決してやれば、また思った通りのものとして出来てくれますし、その問題を放置したり看過してしまうと、また同じ問題を抱えて出来てしまいます。いかに早く、いかに的確に原因を見つけてあげられるか、そしてもうそれ以外に原因は本当にないのかを調査する、これこそが品質管理の仕事です。機械のことはもちろん、人がかかわる作業手順にも不備がないか、あれば指摘し全体のシステムを見直す、問題の再発を何が何でも防ぐ。解決と再発防止のカギは「変化発生時の対応・見直し」にすべて集約されます。さらに言えば、工場は24時間稼働、当然一人の人間がずっといるわけではありません。個人ではなく完全にチームプレーです。問題になった部分と改善のために行ったプロセスは必ず引き継ぎのタイミングやミーティングごとに共有し、全員でそこに当たります。

「継続は力なり」こそ真髄。それを信念とし妥協せず続けてゆくこと。

口にすることは簡単かもしれませんが責任をもって最後まで妥協しないことはなにより大切です。「今日はこんなもんか」と努力を怠った時、「そんな完璧なんて無理でしょ」と諦めたとき、「もうこの程度でいいんじゃない」と手を抜いてしまった時、実はそれまでせっかく積み上げてきたものも台無しになります。たとえ、その時は“本当にたまたま運よく”問題が起こらなかったとしても、こういった気持ちのほころびはいつか必ずミスを生みます。もし、自分が担当しているところで問題が起こってしまったら?チームである以上それは仲間との信頼関係を裏切ること、工場や会社に対してもそう…そして何より、予定通りにいっていれば製品を手にしているはずだったお客様に、一番の迷惑がかかってしまうこと。その時になって「いつもなら大丈夫だったのに」なんて絶対に通用しないですし、「あの時のわずかな自分の気のゆるみがこんなことに…」なんて後悔ではもはや済まされません。私自身、そんな経験もありましたし悔しい思いもしました。だからこそ「本当に自分は達成できたか?やりきれたか?やり残してないか?」という自問自答を毎日くりかえし、そこで納得ができる仕事をし続けないといけないのです。別に私は完璧主義者というわけではないです。ただ、誰かのため、仲間のため、そして自分の成長のため、そう思うと妥協なんてできなくなりますから。職務というより気持ちのほうが勝っているかもしれません。